全日本プロレスのホームページを見ると、八月三日から開催されるジュニア・タッグ・バトル・オブ・グローリーのポスターが出ている。
出場選手が顔を並べるなか、中央でひときわ大きく腕を撫しているのは、マスクをかぶった青木篤志。彼は全日本の所属だし、実力もトップクラスだから、センターを占めるのは不思議でない。しかし……
……去年の優勝チームである丸山・竹田組が端っこに配されるという扱いはどうだろうか。変幻自在、円転滑脱、容易に尻尾をつかませない不思議なキャラの丸山と、気骨稜々、狷介不羈、野武士のような面構えの竹田が、今年も活躍することをわたしは期待する。
とりわけ竹田誠志。彼はいつもはデスマッチの専門家のようだが、たしか青木にもシングルで勝ったことがある強者である。わたしはデスマッチは好きではないので一切見ないが、しかし竹田のふてぶてしい、気合いの乗ったファイトが大好きである。デスマッチで身につけたであろう迫力が、全日本の王道スタイルで戦ってもにじみ出してきて、われわれファンは普段の全日の試合では味わえない、独特の雰囲気を楽しむことができる。
その竹田が、デスマッチなんて絶対にしそうもない丸山と組むのだから、面白くないわけがない。身体は極力動かさず、舌先三寸で勝とうとする丸山に、言葉より凶器という竹田のコンビ。ただこの漫才のようなコンビは、まだそのよさを充分に表現し切れていない。これだけ戦いの間合いやリズムに違いがあるのだから、そのギャップを利用すれば、相手にもよるだろうけど、試合を面白く組み立てることができるのではないか。彼らのタッグワークがいっそうの進化を遂げることを望む。
Wednesday, July 25, 2018
英語読解のヒント(184)
184. no matter を使った譲歩 基本表現と解説 No matter how trifling the matter may be, don't leave it out. 「どれほど詰まらないことでも省かないでください」。no matter how ...
-
アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...
-
ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
-
アニー・ヘインズは1865年に生まれ、十冊ほどミステリを書き残して1929年に亡くなった。本作は1928年に発表されたもの。彼女はファーニヴァル警部のシリーズとストッダード警部のシリーズを書いているが、本作は後者の第一作にあたる。 筋は非常に単純だ。バスティドという医者が書斎で銃...