Wednesday, July 25, 2018

竹田誠志に期待する

全日本プロレスのホームページを見ると、八月三日から開催されるジュニア・タッグ・バトル・オブ・グローリーのポスターが出ている。

出場選手が顔を並べるなか、中央でひときわ大きく腕を撫しているのは、マスクをかぶった青木篤志。彼は全日本の所属だし、実力もトップクラスだから、センターを占めるのは不思議でない。しかし……

……去年の優勝チームである丸山・竹田組が端っこに配されるという扱いはどうだろうか。変幻自在、円転滑脱、容易に尻尾をつかませない不思議なキャラの丸山と、気骨稜々、狷介不羈、野武士のような面構えの竹田が、今年も活躍することをわたしは期待する。

とりわけ竹田誠志。彼はいつもはデスマッチの専門家のようだが、たしか青木にもシングルで勝ったことがある強者である。わたしはデスマッチは好きではないので一切見ないが、しかし竹田のふてぶてしい、気合いの乗ったファイトが大好きである。デスマッチで身につけたであろう迫力が、全日本の王道スタイルで戦ってもにじみ出してきて、われわれファンは普段の全日の試合では味わえない、独特の雰囲気を楽しむことができる。

その竹田が、デスマッチなんて絶対にしそうもない丸山と組むのだから、面白くないわけがない。身体は極力動かさず、舌先三寸で勝とうとする丸山に、言葉より凶器という竹田のコンビ。ただこの漫才のようなコンビは、まだそのよさを充分に表現し切れていない。これだけ戦いの間合いやリズムに違いがあるのだから、そのギャップを利用すれば、相手にもよるだろうけど、試合を面白く組み立てることができるのではないか。彼らのタッグワークがいっそうの進化を遂げることを望む。

エドワード・アタイヤ「残酷な火」

  エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...