Doorways in Drumorty by Lorna Moon
Project Gutenberg
スコットランド出身の Lorna Moon は1861年生まれの作家でスクリーンライター。ペンネームでわかるように彼女は R. D. Blackmore の名作 Lorna Doone の大ファンらしい。小説はスコットランドの小村を舞台にし、そういう狭いコミュニティーにありがちな偏狭さを描いている。まったく名を知られていない作家だが、なかなかいい短編集である。
The Turn of the Screw by Henry James
Project Gutenberg
「ねじの回転」は紹介不要の名作だろう。幽霊譚としてもすぐれているが、語り・視点という理論的な面でもいろいろな問題をはらんでいて、いまだに議論が続いている。ヘンリー・ジェイムズの長編は文章が難解で読むのがたいへん。本書も複雑な文章にてんてこまいするだろうが、それだけの知的な労力をかけるに値する小説。そういえば最近は読書に知的労力を投入する人がいなくなった。言語能力はすべての思考の基礎であり、それをどれだけ精密複雑にするかでその人の考える力がきまってくるのだが。
Broom Stages by Clemence Dane
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このタイトルを見たときは口をあけて驚いてしまった。ついにこの本が電子化されたのか。役者一族の200年にわたる歴史を描いた本書は、作者の代表作であり、演劇人を描いた小説として、わたしが J. B. プリーストレイ の The Good Companions の次に好きな本である。三番目に好きなのは、そうだなあ、モームの「劇場」かアンジェラ・カーターの「賢い子供たち」か。
Miss Mole by E. H. Young
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頭が切れ、ウィットもあるミス・モールがとある牧師一家の家へ家政婦としてやってくる。その家族たちの反応は……。作者のヤングはまだ一部の読書人にしか知られていないが、非常によい作品をいくつか残している。本書はそのうちの一冊で、ミス・モールの造形が見事だし、1930年頃のイギリス社会の雰囲気も的確に捉えている。
Ernie Pyle in England by Ernie Pyle
Project Gutenberg
アーニー・パイルはアメリカ人のジャーナリストで第二次世界大戦中、その従軍記で名を知られた。魅力的な文章を書く。たとえば本書の出だし。
夜中に小さな声が言った。「行け」。それをボスに伝えると、ボスは椅子にふんぞり返って言った。「行け」。わたしがいわゆる良心というやつとさしになって、どうすればいいんだと尋ねると、良心は言った。「行け」。そういうわけでわたしは今ロンドンに向かっている。
しかも彼はドイツ軍に空爆されているロンドンに行くのだ。この本が面白くないわけがない。
The Mortal Storm by Phyllis Bottome
Fadepage
1938年に出た反ナチ小説。ナチズムを信奉する息子たちと断固平和主義を貫く両親のあいだに亀裂が入る。多少センチメンタルなところがあるがファシズムへの警鐘を鳴らした小説として有名である。ジェイムズ・スチュアート主演の映画を見た人がいるかもしれない。