Friday, May 17, 2019

筋肉と寝返り


変なタイトルだが、たぶん筋トレをしている人なら経験があると思う。腕や胸の筋肉が大きくなると、寝返りを打つとき、それまでとはちがった感覚を味わう。

腕が太くなると、寝返ろうとしたとき、腕にその動きを阻止されることがある。腕が細かったころは、軽々と腕の上を乗り越えて身体がごろりと回転したが、太くなると、道を遮る倒木のように、身体の動きを邪魔するのである。はじめてそれを経験したときは、びっくりして夜中に目が覚めてしまった。

胸の肉がついてくると、俯けに寝たときに、肥大した胸が圧迫されて、ちょっとだけ苦しい。睡眠には問題ないが、一瞬、胸が邪魔だと思う。筋トレをするなら睡眠環境も整える必要があると、ごろ寝しながらわたしはよく考える。

エドワード・アタイヤ「残酷な火」

  エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...