§22.
ドイツ語の習慣を知らない人は、Bräutigam は男性だから Er ist ihr Gläubiger というべきでないかと考えますが、そうではありません。それは日本語の「それは彼女の債権者です」のそれでもわかるはずです。すなわち、改めて紹介するような口調で「何々です」と教える時にはすべて es を主語とするのです。たとえば写真を出してきて、これは私の父です(男性)、これは私の母です(女性)、これは私の家です(中性)、これは私の子供です(複数)と紹介する時には、性数の如何を問わず das を用いて、Das ist mein Vater, Das ist meine Mutter, Das ist mein Haus, Das sind meine Kinder というのと同じように、das ほど強く指さない時には、es を用いるというわけです。ここで一つ注意すべきは、こうした es や das を用いる時には、その次にくる動詞 sein は、名詞が複数ならば複数形になるという点です。たとえば、「この部屋をこんなに散らかしたのは誰だ?」に対して、「それは子供たちです」という答は Das sind die Kinder. または Es sind die Kinder. です。Es ist die Kinder. などは誤り。
同じ問いに対して、「僕です」、「おまえだ」なども、英語の It is I やフランス語の C'est moi の真似をして Es ist ich, Es ist du などといっては誤りで:
Ich bin's! または Das bin ich!
Du bist es! または Das bist du!
といわなければなりません。