筋トレをはじめたのは十年くらい前(五十歳ころ)だ。胆嚢に石ができ、切除したのがきっかけだった。お医者さんが優秀だったため、術後の回復は快調で、すぐに元通りの生活ができるようになった。しかしあるときふと気がついた。買い物袋を右手で持つと、身体がやや外側にたわむのである。左手で持つときは体側はまっすぐなのに。
おそらく胆嚢がなくなった分だけ右の体側は折れやすくなっていたのだろう。わたしはぎょっとした。そして欠損を補うために、筋肉をつけようと思った。
筋トレといっても、わたしがしているのはいわゆるホーム・ワークアウト。ジムには行かない。使う器具はヨガマットと辞書だけ。辞書はダンベルがわりにしている。ついでにいうと辞書を使うと腕だけでなく握力も鍛えられる。
身体を大きくすることは目的でなかったが、筋トレを十年も続けるとさすがに腕の太さや胸の厚みが増す。腹回りもしぼれたし、健康状態はすこぶるいい。なによりうれしいのは尿検査をいつやっても正常と出るようになった。それまでは血尿やタンパクが出ていたのに。
わたしがやっている翻訳という作業は、へたをすると一日中、パソコンの前に座っていることを強いられるが、筋トレはいい気分転換になる。
Sunday, July 29, 2018
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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