全日本プロレス・王道トーナメントの開催にあたって、選手たちがその意気込みを記者会見(ドンキホーテ渋谷本店)で語った。
その中で笑ってしまったのが秋山準とジェイク・リーのやりとりだった。
ジェイクは、自分は母子家庭に育ったので、秋山は軽い父親のような存在だ、と言った。秋山は「軽い」とはなんだ、と怒った振りをしたが、まんざらでもないような顔だった。
ジェイクのいわんとすることはわかるが、もうすこし語彙力をつけてほしい。「軽い」じゃなく、「ある意味で」くらいのフレーズを使ってくれ。
しかしそんなことはどうでもいい。
このやりとりで、ジェイクは秋山を父親、師と見なし、秋山もジェイクを息子、弟子として、温かく見守り、期待を掛けていることがわかった。それを見てわたしは、秋山も年を取ったな、と思ったり、社長として若手の育成に力をいれるのは当然のことだ、と思ったり、プロレスの中でつくられる不思議な人間関係や、若いなりに苦労してきたジェイクの来し方を振り返り、複雑な感情が湧いてきた。全日本プロレスは秋山が社長に就任していい団体になったと思う。
さて、九月十七日後楽園でおこなわれた秋山準対ジェイク・リー戦では、ジェイクがジャイアント・キリングで秋山に勝った。シングルではまだ秋山に及ばないと思っていただけにジェイクの勝利にはびっくりした。単に力だけなら若手のほうがすぐれているかもしれないが、試合運びとなると秋山に一日も二日も長がある。ジェイクもその点はまだ足りないと思っていた。
実際、試合の詳報を読むと、秋山の猛攻にジェイクが苦戦を強いられつづけたようだ。が、とにかく一勝を挙げたことは彼にとって大きな自信になるだろう。
わたしは若手の中では青柳よりも、野村よりも、ジェイクがいちばん力があると思っている。彼の膝の攻撃やキックはいかにも重くて迫力がある。野村に較べてスタミナにはやや難があるのかもしれないが、頭を使った攻め方をする。
次の相手は宮原。秋山が父親だとしたら、宮原は兄貴になるだろう。そして宮原もジェイクの成長を待ち望んでいるはずだ。ジェイクはつくづくいい環境にいると思う。奮起して早くトップ戦線に躍りでてほしい。
Wednesday, September 19, 2018
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
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