ちょっと遅くなったが十一月十三日、後楽園で開かれた全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ四試合について書いておこう。
わたしは全日本プロレスのホームページに出ているわずかな情報を見て、いろいろと想像を膨らませているファンなので、実際の試合は見ていない。しかし試合結果を見るだけでも、この日の興業の楽しさが伝わってくる。
まずタッグ・リーグの始まる日ということで、参加全選手がリングにあがって観客に顔見せをしたようだが、その際、なにが原因なのかわからないけれども、乱闘が起きたようだ。わたしは選手が怪我をするような無用な暴力は嫌いだが、すぐに収束するような、こうした争いごとは悪くない。なぜかお祭りの雰囲気を高めるからである。お祭りの非日常性は、暴力や秩序の転覆と密接につながりを持っている。
さて、実際の試合、四試合について思ったことを書いていこう。
野村・青柳組はパロウ・オディンソン組に敗北。四分十秒で片づけられてしまった。恐るべき外国人チームである。野村・青柳組はこんなふうに外のチームとたくさん勝負すれば、次のステップに登ることができると思う。
ゼウス・ボディガー組は大森・征矢組に敗北。大森・征矢組が勝つか負けるかは征矢の活躍いかんにかかっていると思う。彼がどれだけ大森をアシストできるか、どれだけ試合のペースを自分たちに引き寄せるかが鍵になる。逆に言えば、征矢の動きが封じられたら勝ち目はなくなる。
秋山・関本組は真霜・KAI 組に勝った。秋山と関本はお互いに戦いのスタイルを知っているし、息を合わせてやっていくだけの器量も持っている。しかし真霜とKAI はどうなのだろう。ふたりのリズムが合っているかどうか、一度じっくり試合を見てみたいものだ。
諏訪魔・石川組は宮原・ヨシタツ組に勝った。宮原が出る試合はどれも長い。この試合も二十四分十三秒で決着がついた。しかし試合が長くても抜群のスタミナで宮原は戦えるが、ヨシタツはどうなのだろう。やや短めの試合時間で決着するよう、組み立てを工夫したほうが宮原・ヨシタツ組には勝機があるのではないか。
Sunday, November 18, 2018
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(15)
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