エドガー・ミッテルホルツァーのゴースト・ストーリー「わが骨、わがフルート」をアマゾンから出すことになった。
ミッテルホルツァーは英語でカリブ海文学を書き始めた最初のひとりである。死後、ずいぶん長いこと忘れられた存在だったが、ここ十年ほどのあいだにいくつかの作品が復刊され、そのなかでも「わが骨、わがフルート」は特に人気が高い。
呪いのかかった古文書の謎を解くためネヴィンソン一家とミルトンという若者がジャングルの奥地へ行き、そこで不思議な現象に遭遇する話である。ホラーではないから、そんなに怖いことはないのだが、ジャングルの溢れんばかりの色彩と匂い、そしてその奥に秘められた謎めいた闇が魅力的に描写されている。
欧米ではなぜかクリスマスのシーズンに幽霊譚を読む風習があるので、静まりかえった夜中にちょっとだけ怖い物語を読むのもいいのではないだろうか。ジャングルのなかで展開する物語なので、ほんのり身体が温まるかもしれない。
文学的なホラーが読みたいというのであれば、おなじくミッテルホルツァーの「エルトンズブロディ」を手にとって欲しい。これもアマゾンから拙訳が出ている。
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
ジョン・ラッセル・ファーンが1957年に書いたミステリ。おそらくファーンが書いたミステリのなかでももっとも出来のよい一作ではないか。 テリーという映写技師が借金に困り、とうとう自分が勤める映画館の金庫から金を盗むことになる。もともとこの映画館には泥棒がよく入っていたので、偽装する...