ネット上でパブリック・ドメインの本を探そうとするなら、まず Gutenberg を調べるGutenberg は蔵書数、テキストのクオリティーともに、世界一の電子図書館である。
ただし Gutenberg は国ごとに著作権法が違うため、Gutenberg Canada とか Gutenberg Australia とかに別れている。わたしはどういう「新刊」が出たが、ほぼ毎日見て廻っている。
ほかにも Wikisource、Manybooks と電子書籍を発行しているいろいろなサイトがある。そのなかでもやや知名度は低いが、注目すべきサイトが Fadepage だ。
おそらくここは Gutenberg Canada の関係者が発足させたのだろう。Fadepage から出た本が、ほとんど同時に Gutenberg Canada からも出されることがあるから。それに著者の死後五十年間を著作権による保護期間と見なしているから。
組織の詳しいことは知らないが、ここの蔵書はすばらしい。たとえばオーウェルが1938年に出した「カタロニア讃歌」があり、オーストラリアのミステリ作家アーサー・アップフィールドの作品があり、ドロシー・リチャードソンが書いたモダニズム文学の大長編 Pilgrimage が全巻読める。(Pilgrimage の最初の六巻ぐらいは Gutenberg からも読めるのだが、後半の巻は出版年の関係で Fadepage でないと読めない)シャーリー・ジャックソンのホラーの名作「ヒル・ハウスの亡霊」もあるし、ちょっと珍しいところではジャン・ヴァルティンの「夜を越えて」Out of the Night も手に入る。(ヴァルティンは嘘つきのように見なされているが、この作品はめちゃくちゃ面白い。訳してみたいのだが、でも歴史の参考書も大量に読まなければならないと思うと二の足を踏む)
とにかく宝箱みたいなサイトだ。暇なときに丁寧に蔵書を調べると、思わぬ発見をする。チャールズ・ウィリアムズ(哲学的な怪奇小説を書いた男)がドラマも書いていたことは、わたしはこのサイトを通してはじめて知ったし、マニング・コールズの愉快なスパイ小説に出会ったのもこのサイトのおかげである。
秋の夜長に読む本を探すなら、まずはこのサイトを訪れるべきである。
Friday, November 9, 2018
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
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