ジュニアヘビー級のリーグ戦が進行中だが、その中で異様な迫力を見せているのが岡田選手である。身体が明らかに大きくなり、それに比例して技の迫力も増した。熊本大会での相手は丸山選手だったが、普段ににあわず殺伐とした雰囲気を漂わせる彼のキック攻撃に耐えて、最後は相手を抱え上げ、背中から落として、そのまま抑えこんだ。これがリーグ戦初勝利とは思えないくらい力強い勝利だった。
試合後のコメントもよかった。全日本でコメントがうまいのは青柳と岡田だとわたしは思っている。青柳は相手の言葉を巧みに、強気に切り返すところに鋭さを見せるが、岡田はどんなときも否定的にならず前を見つめるコメントが特徴的である。この日もリーグ戦線からは脱落したが、「この大会があったから俺は未来の岡田佑介があるって言いたい」といいことを言った。
岡田の次の対戦相手はフランシスコ・アキラだが、アキラも将来が楽しみな選手だ。身体が細いが、動きはすばやく、俊敏さを武器にしているはずのジュニアヘビー級選手さえ、緩慢に見えるくらいだ。ただ、逆に言うと、アキラ選手がひとり相手のまわりを走り回っているように見える。動きを止められ、重い技を食らうとさすがにダメージがあるようだが、しかしあれだけ声を出して動きまくり、新鮮なわざを繰り出しまくる選手は、全日本のリングでははじめて見た。おそらく観衆は誰もが、アキラ選手の五年後、十年後を見たいと思っているのではないだろうか。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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