プロレスの記事がつづくけれど、仕方がない。ジュニアヘビー級のリーグ戦が面白いのだ。
まず力が佐藤に勝った。度肝を抜くとはこのことだ。どんなに幸運が味方していても元ジュニアヘビー級チャンピオンに新人レスラーの力が勝つなんて、あるわけがない。しかし生駒大会のダイジェスト・ビデオを見て納得がいった。あれは力の「パワー!」という絶叫と、佐藤の「ぜんぜん痛くありません!」の対決だったのだ。このセリフ対決はあきらかに力が佐藤を上回っていた。というより、佐藤が思いも寄らぬ所で飛び出す「パワー!」にびびっていた。変態をびびらせるだけでなく、わたしの大好きな女性レフェリーまでびびらせていた。恐るべし。
冗談はともかく、力が佐藤に腕を取られ、ほとんどのびきったも同然の状態になりながらもロープにかろうじて逃れたのは立派である。レスラーとしての力量はまだまだだが、根性はある。力道山ゆずりのチョップはまだ腰がひけているけれど、音はいい。一度ラリアットを放っていたが、あれを見ると腕の力は結構あるのだろう。今後も全日本で暴れて欲しい。
TAJIRI とフランシスコ・アキラの試合も興味津々、見せてもらった。アキラはまだ十九歳で身体が細い。しかし技が多彩で、動きがいい。ロープをかいくぐってリングから出たり入ったりを繰り返しながら攻撃する。あんなのははじめて見た。ただ TAJIRI の重量のある攻撃をくらうと、一発で動きが止まってしまう。
アキラにとって全日参戦は、はじめての海外遠征になるらしいが、観客から声援も飛んでいたし、いろいろな意味で日本のリングに慣れてきたら、面白い選手になりそうだ。全日の新人たちにとっても刺激になるのではないか。
試合後、TAJIRI がリングにうずくまるアキラを立たせて、健闘をたたえたが、こういう気遣いは、さすが世界で活躍した男だと思う。所属選手ではないが、全日本にとって貴重な存在である。たんに戦力としてあるだけではなく、ブレインとしてはたらいてもいる。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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