最近またダイジェスト・ビデオが復活したようで、とてもうれしい。これで選手の様子がだいたいわかるし、こちらの試合にたいする目の付け所も変わってくる。
吉岡と力の試合は思わず噴き出してしまった。力がわけもなく「パワー!」と叫ぶたびに、吉岡が脱力して横を向く場面は、じつにコミカル。本人の必死さと、外見の滑稽さの落差が大きくて、「楽しい」全日本プロレスにふさわしい試合になったと思う。ただ、力選手は動きがかたいので、怪我をしないかちょっと心配である。ついでにいうとこの試合をさばいていた女性レフェリーは、わたしは大好きである。技を食らった選手に大声でよびかけるのは、なにか女性らしくて感じがいい。
この日、岡田は岩本と当たったが、ずいぶん身体ができてきたのに驚いた。体格では岩本に負けていない。技のレパートリーがまだ少ないけれど、これからが楽しみだ。考えて見ると、連敗していた新人時代はもうとっくに過ぎて、今は後輩が三人もいる立場である。顔つきもきりりと引きしまって、誰を相手にしても気合い負けしない、いい選手だ。岩本は鼓太郎に初戦を落としたのが痛い。チャンピオンにはなったが、一線級にはまだ地力で及ばないところがあるのか、と思われてしまった。佐藤や青木の時代に戻さないためにも、岩本にはがんばってもらいたいのだが。
最後はエヴォルーション軍とネクストリーム軍の八人タッグマッチだった。野村は本当に身体がでかくなり、攻撃が重くなった。腹が出ているけど、あれだけ動けるのだから問題はないだろう。試合は諏訪魔が大活躍してエヴォルーションが勝った。三冠戦にむけて調子をあげているようだ。わたしは彼の万力スリーパーが好きである。腕をがっしり顎のまわりに巻きつけて、ゆさゆさと揺するのは、鶴田を彷彿とさせる。もっとも宮原は前の試合でこの技を食らって負けているから、これで彼を仕留めることはできないだろう。宮原はスピードもタフさもクレバーさも兼ね備えた選手だから。どっちを応援しているというわけでもないが、所属選手同士による「全日本の顔」争いである。選手権までの一戦一戦が気にかかる。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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