Monday, February 25, 2019

文学とは


ほとんどの人が絶望的なまでに誤解していることなのだが、文学というのは、まさしく文学を批判することなのである。うんとわかりやすく言うと、蝶よ、花よと歌うことが文学ではなく、そうした文学に対する観念を批判することこそ文学なのである。

そして文学とは閑文字なりと思い込んでいる人々こそ、こうした「ダメな」文学的観念にやられてしまう。最近のいい例は安倍首相で、自衛官の息子が「自衛隊は違法なのか」と眼に涙をためて尋ねた、などと話をしている。「眼に涙をためて」。文学を知らない人は、自分が文学にやられていることを知らない。

独逸語大講座(20)

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