二月七日、全日本プロレス・アジアタッグ選手権をめぐって激突する挑戦者チーム、およびチャンピオン・チームの意気込みが記者会見で披露された。このプロモーション・ビデオを見て、野村もだんだんとコメントがうまくなってきたなと思った。
パートナーの青柳は昔から鋭く発言をする男で、挑戦者組(大日本プロレスの河上、菊田両選手)の挑発を強気に、巧みに切り返していて見事だった。しかしわたしがびっくりしたのは、いつもにこにこして、どうでもいいようなことを話す野村が、いつになく顔をひきしめ、「対抗戦はもうちろんそうなんですけど、それを意識しすぎると足もとをすくわれると思うんで、一レスラーの野村直矢として二人を迎え撃って、確実に潰していきたい」と述べたことだ。血気にはやるのではなく、自分を冷静に保ち、その上で挑戦者を退けたいというわけだ。まだ若いけれども、勢いで突っ走らず、いったん足もとを踏み固めようとする用心深さが備わってきたような感じがする。
これからは落ち着きだけでなく、責任感や、追われる立場になったときの力強さも要求されるようになるだろう。若手が次第に成長していく姿を見るのは、ほんとうにたのもしい。わたしは挑戦者組のことはまったく知らないのだが、世界タッグを大日本に取られている現状では、ぜひチャンピオン・チームに防衛してもらいたい。
Wednesday, February 6, 2019
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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