全日本プロレスはシリーズとシリーズのあいだの中休みの時期だが、盤外では活発な動きがあるようだ。まず暴走大巨人組が大日本に乗り込み、関本・岡林組に世界タッグへの挑戦をアピールした。諏訪魔は三冠戦で負けたばかりだが、すぐに切り替えて次なる目標に向かうところが素晴らしい。レスラーにはこういう「生臭さ」がなければならない。
また野村がネクストリームを抜けて、三冠の宮原に挑戦することになった。レスラーというのは基本的に個人事業主、一人一人が一国一城の主であって、戦略的に徒党を組むことはあっても、それはいつかは分裂することを前提としている。だから野村が青柳とのコンビを解消し、さらにアジアタッグのベルトも返上したことは、わたしはどうとも思わない。
ただ青柳は野村にいいようにあしらわれ、腹を立てているようだ。まあ、それはわかる。しかし記者会見の席で「野村の邪魔をしてやる」といったのは感心しない。そんなせこいことをして、どうするのだ。青柳が言うべき台詞は、「三冠に挑戦すると大きく出たが、お前はほんとうに挑戦できるくらいの強さなのか。宮原の前に俺の屍体を越えて行け」でなければならない。ついでにジェイク・リーも出てきて、三つどもえの戦いになれば、見る側の楽しみも二倍三倍になる。全日本の若き武将が、思い切り火花を散らせば、ファンの気持ちだって盛りあがらないわけがないのだ。
わたしは今回はちょっとだけ若手がしくじったな、と感じる。もっともっと面白い展開が工夫できたのに、それを逃してしまったのだから。チャンスは一瞬。今度は見逃さないで欲しい。
Friday, March 1, 2019
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
ジョン・ラッセル・ファーンが1957年に書いたミステリ。おそらくファーンが書いたミステリのなかでももっとも出来のよい一作ではないか。 テリーという映写技師が借金に困り、とうとう自分が勤める映画館の金庫から金を盗むことになる。もともとこの映画館には泥棒がよく入っていたので、偽装する...