真霜拳號が怪我のため、チャンピオン・カーニバルを欠場することになった。
プロレスラーはほんとうに怪我と闘わなければならないし、欠場する選手が出るたびに胸が痛くなる。どんなに気をつけていても運動していれば怪我は突然襲ってくる。わたしも筋トレをしているから、その怖さはよくわかっているつもりだ。わたしが高重量を扱わないのも怪我を避けるためである。
それはともかく、秋山社長が補欠の選定に悩んでいるとき、青木が自分を出させてくれと申しこみ、受け入れられたそうだ。こういう踏み込みのよさ、決断力、あるいは責任感とでもいうべきものが青木の真骨頂である。彼が「隊長」と渾名されるのは伊達ではない。
青木はジュニアだから体格的にはまったく不利だ。しかし秋山社長は、彼ならやってくれる、とコメントしている。全日のツイッターを見たら、さっそく青木の優勝を予想している人もいた。みんな青木の意気を感じているのだ。
しかし、わたしが言いたいのは、青木のことではない。なぜジュニアのチャンピオンである岩本がまっさきに名乗り出なかったのかということである。岩本には新しい世代の牽引役として期待をかけているが、しかしまだどこか頼りなさ、物足りなさを感じる。それがまたしてもここであらわれた。青木はツイッターに「なんで青木? と思う方は圧倒的に多いはずです。最近は特に何か実績を残しているわけでもないですから。 でも、ここで動かなかったら自分の先は無いような気がしました。」と書きこんでいるが、岩本なら「実績」があるし、申し分ないだろう。この行動力の差がチャンピオンとして君臨した男と、これからチャンピオンの風格を身につけようとしている男の差なのだろうか。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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