真霜拳號が怪我のため、チャンピオン・カーニバルを欠場することになった。
プロレスラーはほんとうに怪我と闘わなければならないし、欠場する選手が出るたびに胸が痛くなる。どんなに気をつけていても運動していれば怪我は突然襲ってくる。わたしも筋トレをしているから、その怖さはよくわかっているつもりだ。わたしが高重量を扱わないのも怪我を避けるためである。
それはともかく、秋山社長が補欠の選定に悩んでいるとき、青木が自分を出させてくれと申しこみ、受け入れられたそうだ。こういう踏み込みのよさ、決断力、あるいは責任感とでもいうべきものが青木の真骨頂である。彼が「隊長」と渾名されるのは伊達ではない。
青木はジュニアだから体格的にはまったく不利だ。しかし秋山社長は、彼ならやってくれる、とコメントしている。全日のツイッターを見たら、さっそく青木の優勝を予想している人もいた。みんな青木の意気を感じているのだ。
しかし、わたしが言いたいのは、青木のことではない。なぜジュニアのチャンピオンである岩本がまっさきに名乗り出なかったのかということである。岩本には新しい世代の牽引役として期待をかけているが、しかしまだどこか頼りなさ、物足りなさを感じる。それがまたしてもここであらわれた。青木はツイッターに「なんで青木? と思う方は圧倒的に多いはずです。最近は特に何か実績を残しているわけでもないですから。 でも、ここで動かなかったら自分の先は無いような気がしました。」と書きこんでいるが、岩本なら「実績」があるし、申し分ないだろう。この行動力の差がチャンピオンとして君臨した男と、これからチャンピオンの風格を身につけようとしている男の差なのだろうか。
独逸語大講座(20)
Als die Sonne aufging, wachten die drei Schläfer auf. Sofort sahen sie, wie 1 schön die Gestalt war. Jeder von ihnen verliebte sich in 2 d...
-
19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
パット・フランクのこの小説は日本ではなぜか翻訳が出ていないが、デイヴィッド・プリングルがSF小説百選のリストにも入れた名作である。 まず時代は1959年。場所はフロリダのフォート・リポーズという小さな町だ。主な登場人物は、フォート・リポーズに住むランディ・ブラグという三十代の男と...