ファンタジーとしてはかなり有名なステラ・ベンソンの作品。とくに筋があるわけではない。舞台は戦時中のイギリス。ロンドンのとある貯蓄委員会の席に、魔女の娘っこが飛びこんでくる。パンを買ったが金を払わなかったためにドイツ人のパン屋に追いかけられているのだという。それが魔女と目立たぬ委員の一人サラとの最初の出会いだった。
サラは魔女の娘が忘れていった箒(もちろん魔女が乗りまわす魔法の箒)を返しにいく。そして彼女を探しあてたのち、ひょんなことから、彼女が住んでいる「おひとり荘」という名前の下宿に住み込むことになる。そこで魔女やら、下宿人やらと交流し、人生とか慈善とか、いろいろなことについて考えを巡らす。戦時中のリアルなきびしい生活状況と、夢幻的な奇想とが奇妙に混淆した、変わった本である。しかし女流作家はときどきこんな不思議でチャーミングな本を書く。アンジェラ・カーターとか尾崎翠とか。
調べた限り、翻訳はまだ出ていないようだが、どうしたことだろう。
LibriVox にはこの本のすばらしいオーディオ・ブックがある。コリー・サミュエルさんによる朗読で、わたしは彼女のイギリス英語に惚れこんでしまった。是非一度聞いていただきたい。
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
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