最近はなんにでも「評価」がつけられる。食べ物屋にも、病院にも、電気屋にも、本にも、ほとんどすべての商品や施設に評価がつけられる。そしてそれを見て、食べ物屋や病院や本を選ぶ人がいる。
わたしは本の評価に関しては唯我独尊、他人の意見を一切認めない。いい本かどうかは、自分で読んで判断する。もちろん自分の鑑賞眼、読解能力には自信を持っている。
わたしは文学史の教科書には出てこないような、マイナーな本を主に読むけれど、そういう本の中にも、なぜこれが無名のままなのかと驚くような名作が多々あるのである。わたしが今までに訳した本は、すべてそうした作品である。無名ではあるけれど、質においても着眼点においても注目すべき小説。わたしはそうした作品を発掘するのが楽しい。
そうした作品を見付けるたびに、世間の評判というのは案外に疎漏なものだ、と思うのである。
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
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昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
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久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
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ジョン・ラッセル・ファーンが1957年に書いたミステリ。おそらくファーンが書いたミステリのなかでももっとも出来のよい一作ではないか。 テリーという映写技師が借金に困り、とうとう自分が勤める映画館の金庫から金を盗むことになる。もともとこの映画館には泥棒がよく入っていたので、偽装する...