最近はなんにでも「評価」がつけられる。食べ物屋にも、病院にも、電気屋にも、本にも、ほとんどすべての商品や施設に評価がつけられる。そしてそれを見て、食べ物屋や病院や本を選ぶ人がいる。
わたしは本の評価に関しては唯我独尊、他人の意見を一切認めない。いい本かどうかは、自分で読んで判断する。もちろん自分の鑑賞眼、読解能力には自信を持っている。
わたしは文学史の教科書には出てこないような、マイナーな本を主に読むけれど、そういう本の中にも、なぜこれが無名のままなのかと驚くような名作が多々あるのである。わたしが今までに訳した本は、すべてそうした作品である。無名ではあるけれど、質においても着眼点においても注目すべき小説。わたしはそうした作品を発掘するのが楽しい。
そうした作品を見付けるたびに、世間の評判というのは案外に疎漏なものだ、と思うのである。
コリン・ブルックス「死体発見」
コリン・ブルックス(1893-1959)はイギリスのジャーナリストで30年代40年代はファイナンシャル・ニューズやサンデイ・ディスパッチの編集をしていた。BBCのラジオにも出演していたらしい。同時に以下のようなミステリも書いていた。 Mr X (1927) The Body ...
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ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
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§9. 不定の意を強める irgend 「何か」(etwas, was)といえばよいところを、特に念を入れて「何でもよいからとにかく何か」といいたい時には irgend etwas, irgend was といいます。その他不定詞(ein, jemand,...
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アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...