こんなユダヤ人ジョークがある。若い男が汽車に乗り、歳老いた男の隣に座った。歳老いた男は「喉が渇いた、喉が渇いた」と言いつづけている。とうとう若い男は我慢できなくなり、べつの車輌に行って水を持ってきて老人に与える。老人は水を飲んで静かになる。しかし数分すると老人はもじもじしだし、ついに叫び出す。「あんなに喉が渇いていたのに、あんなに喉が渇いていたのに」これは人間の欲望がどう働くかをよく示しているジョークだ。なにが老人の不満なのか。不平を言う目的はなんなのか。老人はこう云っているように見える。「おまえはわたしの demand を満足させることができる。わたしは水を要求し、あなたはそれを与えてくれた。しかしわたしの desire はまだ継続している」老人は喉の渇きをいやしたいというより、「喉の渇いた人間」として認められたいのである。つまり他者を操作、支配することが問題なのだ。
Aaron Schuster の講演から
Sunday, April 28, 2019
コリン・ブルックス「死体発見」
コリン・ブルックス(1893-1959)はイギリスのジャーナリストで30年代40年代はファイナンシャル・ニューズやサンデイ・ディスパッチの編集をしていた。BBCのラジオにも出演していたらしい。同時に以下のようなミステリも書いていた。 Mr X (1927) The Body ...
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ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
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§9. 不定の意を強める irgend 「何か」(etwas, was)といえばよいところを、特に念を入れて「何でもよいからとにかく何か」といいたい時には irgend etwas, irgend was といいます。その他不定詞(ein, jemand,...
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アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...