四月二十八日、後楽園ホールで、全日本プロレス・チャンピオン・カーニバル、Bブロックの最終戦が行われた。つくったような試合結果だったが、たぶんファンとしては大勢の人が待ち望んだ結果になったのではないか。
橋本とサム・アドニス戦、ヨシタツと吉田戦はいずれも勝ち星の少ない方(サム・アドニス、吉田)が勝利を収めた。サム・アドニスはいいキャラを出していた。諏訪魔に勝ったとき、インタビューで、「いままで戦った二人は汚い手を使ってオレに勝ちやがった」などと平気で言っていた。急所攻撃を得意にしているくせに、よく言うよ、と思わず笑ってしまった。愉快な男なので、ときどき全日のリングに上がって、インタビューでも楽しませてほしいと思う。
ジェイク・リー対ジョー・ドーリング、および諏訪魔対野村は、いずれも若手が勝利した。若い世代の台頭は目を瞠るばかりだが、逆に、もうそろそろ若手といわれる時期を脱出して全日の主戦力となってもらわないと困る、という気持ちもある。ジェイクも野村も体格に恵まれているのだから、さらに経験を積んで、迫力や風格を身につけてほしい。今回は優勝戦進出者決定戦でジェイクが勝ったが、実力差は紙一重だろう。野村の心中は推し量るにあまりあるが、ファンは彼のような姿にこそ自分を重ねて応援するものである。心機一転、営業にも試合にもがんばってほしい。
英語読解のヒント(145)
145. 付帯状況の with 基本表現と解説 He was sitting, book in hand, at an open window. 「彼は本を手にして開いた窓際に座っていた」 book in hand は with a book in his hand の...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...