YouTube にチャンピオン・カーニバルの試合がずいぶんアップロードされている。手当たり次第見たけれども、どれも面白かった。とりわけ印象深かったのは大日本プロレス岡林の試合である。怪物的な筋力、体力、体格の持ち主で、圧倒的な迫力を発散していた。
ディラン・ジェイムズとの一戦は、二人のぜいぜいという喘ぎ声が生々しく響く、壮絶な試合だった。このビデオはアナウンサーの余計な声が入っておらず、観客の声援や選手の声、肉のぶつかる音がよく聞こえて、独特の印象を与えた。二人ともほんとうによく三十分を闘い抜いたと思う。ロープに飛んでのぶつかり合いや、逆水平チョップの打ち合いなど、ちょっと尋常ではなかった。巨大な肉体の塊どうしがぶつかる、ヘビー級の試合の面白さが全開だったが、怪我をしやしないかと、ひやひやする試合でもあった。全日本に出ているヘビー級の選手はぶつかり合いだけでプロレスの醍醐味を表現できるので、エプロン際での危ない攻防などは繰り広げなくてもいい。リング内で堂々と戦ってほしい。
もう一試合、岡林と宮原がチャンピオン決定戦をかけて戦った試合もすごかった。どちらもこの一戦に期するものがあったのだろう、どんなに強烈な攻撃を受けてもまた立ち上がってきた。その闘争本能はほとんど人間の域を超えているといっていい。わたしは岡林のほうが身体も大きいし、パワーも上なので、宮原がどうやって勝ったのか興味深く見ていたのだが、いやはや、現三冠チャンピオンはとてつもないスタミナと瞬発力の持ち主だ。とうとうゴーレムのような岡林も体力を使い果たし、三カウントを聞いてしまった。しかしこの一戦はすばらしかった。舞台もよかったし、両者の試合に対するモチベーションも最高だった。ファンを感動させる試合だったと思う。
Wednesday, May 1, 2019
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
ジョン・ラッセル・ファーンが1957年に書いたミステリ。おそらくファーンが書いたミステリのなかでももっとも出来のよい一作ではないか。 テリーという映写技師が借金に困り、とうとう自分が勤める映画館の金庫から金を盗むことになる。もともとこの映画館には泥棒がよく入っていたので、偽装する...