プロジェクト・グーテンバーグ・カナダが五月の十六日にエドナ・ファーバーの「ソー・ビッグ」を蔵書に加えた。Fadepage.com も今年に入ってこの本を電子化した。作者は1968年沒だから、今年彼女はパブリック・ドメイン入りしたのである。しかもピューリッツァー賞を受賞した名作だから今年に入ってさっそく電子化の作業が始まったのだろう。
「ソー・ビッグ」とは妙なタイトルだが、主人公は生まれたときに非常に大きくて、そのため「とても大きい」が彼のニックネームになってしまったのである。
それはともかく、エドナ・ファーバーの本なんて図書館でも書店でも見たことがないと、ふと思い、調べて見たら、「ソー・ビッグ」は1956年に山西英一に訳されて以来、新訳は出ていない。公立図書館の所蔵状況はどうなのだろうと調べたら、国立国会図書館を含む四館にしかこの本はない。たぶんどこの図書館でも書庫入りしているだろうから、一般人がこの本を目にすることはまずないだろう。
映画にもなった「ジャイアンツ」はどうだろう。これも1956年に山西英一が訳して以来、新訳は出ていない。公立図書館の所蔵状況はというと、これは十四館にあるようだ。映画になった分だけ数は多い。
ついでだから「サラトガ本線」はどうだろう。これは1950年に竹内和子という人が翻訳を出している。これは九館に本が所蔵されている。
1952年に大久保康雄が訳した「ショウ・ボート」はどうかというと、これは十四館に本がある。
しかし前述した理由からたぶん本を目にする人はいないだろう。
「氷の宮殿」や「シマロン」は映画化もされたけど、日本語訳すら出てないようだ。この前、アーノルド・ベネットの翻訳を調べたときも肝腎な作品が訳されてなかったり、入手困難な状況に陥っていることを知り愕然としたが、エドナ・ファーバーもそうなのか。日本は翻訳大国などといわれるが、案外たいしたことはない。
Wednesday, May 29, 2019
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
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