青木選手の突然の死は、思っていた以上にわたしにとっても衝撃だった。全日本プロレスについてなにか書こうと思っても、青木選手のことを考えると、ただ茫然としてしまって、なにも書く気がなくなってしまうのだ。
しかしほかの選手たちが悲しみをこらえつつ試合に挑んでいる姿を見て、わたしもまたプロレスの記事を書こうと元気をふりしぼることにした。
六月の十八日に行われた後楽園大会ではメインイベントで岡田祐介が佐藤光留と対戦した。結果は腕ひしぎ逆十字で佐藤が勝ったが、試合時間が十八分。岡田がそうとうふんばった。
わたしは以前から言っているのだが、岡田がジュニアの中心に飛び出したとき、全日本のジュニアは変化すると思う。岡田の行動や発言を聞けば、彼が独特の情念の持ち主であることがわかる。あの情念は独特の磁場を形成して全日本のジュニアを引っ張る力になるはずなのだ。岩本は実力はあるが、どこか力が内向し、迫力が外にむかって放出されない。もちろん人間は小さなきっかけでがらりと変わるものだ。岩本が大化けする可能性は否定しないものの、今のままではなにか物足りない。それに取って代わる存在は岡田しかいない。青木の盟友であった佐藤からプロレスを学び、はやく彼と互角に戦える選手になってほしい。それこそが青木への供養じゃないだろうか。
Saturday, June 22, 2019
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
§4. Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。 一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
ジョン・ラッセル・ファーンが1957年に書いたミステリ。おそらくファーンが書いたミステリのなかでももっとも出来のよい一作ではないか。 テリーという映写技師が借金に困り、とうとう自分が勤める映画館の金庫から金を盗むことになる。もともとこの映画館には泥棒がよく入っていたので、偽装する...