青木選手の突然の死は、思っていた以上にわたしにとっても衝撃だった。全日本プロレスについてなにか書こうと思っても、青木選手のことを考えると、ただ茫然としてしまって、なにも書く気がなくなってしまうのだ。
しかしほかの選手たちが悲しみをこらえつつ試合に挑んでいる姿を見て、わたしもまたプロレスの記事を書こうと元気をふりしぼることにした。
六月の十八日に行われた後楽園大会ではメインイベントで岡田祐介が佐藤光留と対戦した。結果は腕ひしぎ逆十字で佐藤が勝ったが、試合時間が十八分。岡田がそうとうふんばった。
わたしは以前から言っているのだが、岡田がジュニアの中心に飛び出したとき、全日本のジュニアは変化すると思う。岡田の行動や発言を聞けば、彼が独特の情念の持ち主であることがわかる。あの情念は独特の磁場を形成して全日本のジュニアを引っ張る力になるはずなのだ。岩本は実力はあるが、どこか力が内向し、迫力が外にむかって放出されない。もちろん人間は小さなきっかけでがらりと変わるものだ。岩本が大化けする可能性は否定しないものの、今のままではなにか物足りない。それに取って代わる存在は岡田しかいない。青木の盟友であった佐藤からプロレスを学び、はやく彼と互角に戦える選手になってほしい。それこそが青木への供養じゃないだろうか。
Saturday, June 22, 2019
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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