我が目を疑うとはこのことだ。青木篤志選手が交通事故で亡くなったというニュースを見て、一瞬、身体が宙に浮いたような気がした。記事に書いてある青木篤志が、あの青木篤志で、死亡という文字が死亡という意味をあらわしていることを納得するまで、しばらく時間がかかった。ああ、そんな馬鹿な……。
事故の状況がよくわからないのだが、青木は無茶な運転をするような男ではない。きっと思いも寄らぬなにかが起きて、たまたま事故に至ったのだろう。残念でならない。
彼はこの数年間、ずっと全日本ジュニアの中心だった。実力だけでなく、責任感をもって団体を引っ張ってきた希有の存在だった。ヘビー級に負けないくらいジュニアを盛り上げるにはどうしたらいいか、常に考えて試合をしてきた選手だった。試合のスタイルも正攻法だが、人間自体も正攻法。男らしい男だったと思う。
どうか安らかに眠ってほしい。全日本プロレスには大きな損失だが、青木が残したものは全選手によって引き継がれると思う。合掌。
Wednesday, June 5, 2019
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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