Thursday, July 11, 2019

精神分析の今を知るために(6)

われわれのファンタジーそのものがわれわれにとっては異質なものでありうるのである。それらは言語によって構成され、限りなく漸近線的にわれわれに接近するにすぎないからだ。われわれのファンタジーは、実は他人のファンタジーが移植されたものなのかもしれない。自分のファンタジーが母や父のファンタジーであることに気づくこともあるだろう。いつの間にそんなものが自分の頭に宿ったのかさっぱりわからないけれど。これは人々にもっとも疎遠感を感じさせるものの一つである。自分のファンタジーすら自分自身のものではないように思われるからだ。

ブルース・フィンク「ラカン的主体」から

今月の注目作

The Bracknels by Forrest Reid Project Gutenberg フォレスト・リードはアイルランドの作家・批評家で、生前はヒュー・ウォルポールやJ.M.バリーと並び称せられる存在だった。「ブラックネル家」は少年という主題やオカルト趣味など、リードの特...