ソニーのノイズキャンセリング機能がついたヘッドフォンを愛用している。ノイズキャンセリングというのは、まあ、外界の音を遮断する機能といっていい。わたしが使っている製品のこの機能はおそろしく強力だ。部屋の中でヘッドフォンをつけると、完全な静寂が訪れる。そのせいで音楽を聴くときなど、音量を絞らないと耳を傷めるくらいである。安いヘッドフォンだとどうしても外界の音を拾ってしまい、その分、音量が大きくなるようだ。
今日はわたしの窓の正面に見える公園で、盆踊り大会が行われているのだが、いつもの年なら大きなレコード音楽に閉口するわたしも、今日は全く苦にならない。ノイズキャンセリングを使うと太鼓の音が遠くでかすかになっているくらいにしか聞こえないのである。さらに音楽とか、自然音とかを流せば、外界の音は完全に消える。
人ごみの中でこのヘッドフォンを使うとどうかというと、低い声や、ざわめきは聞こえないが、どうやら甲高い音や声は完全にはシャットアウトできないようだ。女性のアナウンスの声とか、子供たちの嬌声は聞こえてくる。しかし大人が普通に話しているときの声などはカットしてくれる。音楽を流せば、たぶん、外界の音はほとんどわからなくなるだろう。
わたしがこの高いヘッドフォンを買ったのは、翻訳の作業や読書をするとき、余計な外部の音を遮断し、集中したかったからである。その目的には十分こたえる製品で、満足度は非常に高い。眼鏡をかけているせいで装着したとき違和感があるのではないかと思ったが、柔らかいパッドを使用ていて数時間かけていても気にならない。もっとも今は夏なので、ヘッドフォンは耳がむれるような気がするが、これは仕方がない。
英語読解のヒント(145)
145. 付帯状況の with 基本表現と解説 He was sitting, book in hand, at an open window. 「彼は本を手にして開いた窓際に座っていた」 book in hand は with a book in his hand の...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
-
19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...