ソニーのノイズキャンセリング機能がついたヘッドフォンを愛用している。ノイズキャンセリングというのは、まあ、外界の音を遮断する機能といっていい。わたしが使っている製品のこの機能はおそろしく強力だ。部屋の中でヘッドフォンをつけると、完全な静寂が訪れる。そのせいで音楽を聴くときなど、音量を絞らないと耳を傷めるくらいである。安いヘッドフォンだとどうしても外界の音を拾ってしまい、その分、音量が大きくなるようだ。
今日はわたしの窓の正面に見える公園で、盆踊り大会が行われているのだが、いつもの年なら大きなレコード音楽に閉口するわたしも、今日は全く苦にならない。ノイズキャンセリングを使うと太鼓の音が遠くでかすかになっているくらいにしか聞こえないのである。さらに音楽とか、自然音とかを流せば、外界の音は完全に消える。
人ごみの中でこのヘッドフォンを使うとどうかというと、低い声や、ざわめきは聞こえないが、どうやら甲高い音や声は完全にはシャットアウトできないようだ。女性のアナウンスの声とか、子供たちの嬌声は聞こえてくる。しかし大人が普通に話しているときの声などはカットしてくれる。音楽を流せば、たぶん、外界の音はほとんどわからなくなるだろう。
わたしがこの高いヘッドフォンを買ったのは、翻訳の作業や読書をするとき、余計な外部の音を遮断し、集中したかったからである。その目的には十分こたえる製品で、満足度は非常に高い。眼鏡をかけているせいで装着したとき違和感があるのではないかと思ったが、柔らかいパッドを使用ていて数時間かけていても気にならない。もっとも今は夏なので、ヘッドフォンは耳がむれるような気がするが、これは仕方がない。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

-
アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...
-
今朝、プロジェクト・グーテンバーグのサイトを見たら、トマス・ボイドの「麦畑を抜けて」(Through the Wheat)が電子書籍化されていた。これは戦争文学の、あまり知られざる傑作である。 今年からアメリカでは1923年出版の書籍がパブリックドメイン入りしたので、それを受けて...
-
63. I don't know but (that /what) 基本表現と解説 I don't know but that he did it. 前項の Who knows の代わりに I don't know とか I cannot say ...