YouTube "Slavoj Zizek - On the left" から一部内容を要約した。
Monday, September 9, 2019
精神分析の今を知るために(8)
ジャック・ラカンがすばらしいことを言っている。妻が浮気をしていると思い込んでいる夫がいるとする。彼の疑念がすべて正しかったとしても(たとえば妻が事実として手当たり次第男をベッドに引きずり込んでいたとしても)、彼の嫉妬は病的(パソロジカル)である。病的な嫉妬は、彼のアイデンティティを維持するために必要とされる。このことは反ユダヤ主義や反移民を唱える人々にもいえる。移民の流入に異を唱える人は、彼等は原理主義者だとか、女性にたいする考え方がちがうとかいうが、それに対してわれわれは、彼等はわれわれと同じ教養ある人々だ、などと反論するのは間違いで、こう言うべきなのだ。なるほど彼等のうちには原理主義者がいたり、女性にたいする考え方のちがう人もいるだろうが、そのことはあなたが感じる移民への恐怖とは関係がない。移民への恐怖はパソロジカルなものであり、その源泉はべつのところにある。それはヨーロッパの不安定、社会福祉の喪失などから来ている。だから真の意味でヨーロッパを脅かしているのは、ヨーロッパを守ると言っている人々、右翼、反移民を唱える人々である。
YouTube "Slavoj Zizek - On the left" から一部内容を要約した。
YouTube "Slavoj Zizek - On the left" から一部内容を要約した。
新刊について
新しい翻訳を出したのでご報告します。エセル・リナ・ホワイトの「恐怖が村に忍び寄る」。原題は Fear Stalks the Village 。以前、「本邦未訳ミステリ百冊を読む」というブログを掲載していた時に読み、強烈な感銘を受けました。まるでお伽噺に出てくるような美しい景色が...
-
ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
-
アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...
-
「ミセス・バルフェイムは殺人の決心をした」という一文で本作ははじまる。 ミセス・バルフェイムは当時で云う「新しい女」の一人である。家に閉じこもる古いタイプの女性ではなく、男性顔負けの知的な会話もすれば、地域の社交をリードしもする。 彼女の良人デイブは考え方がやや古い政治家...