去年は戦争文学ばかり読んでいたのでベストスリーもその関係の本になる。
第一位は今日出海の「山中放浪」。これは長いレビューをブログに書いた。描写の背後に鋭い認識が潜んでいる傑作で、わたしにとっては「俘虜記」や「神聖喜劇」と並ぶ重要な作品。
第二位はカロッサの「ルーマニア日記」。恐るべき知性と静謐をたたえるこの作品の前には「西部戦線異状なし」も「武器よさらば」も色あせて見える。
第三位はポール・フッセルの The Great War and Modern Memory 。残念ながら文学が資料のように扱われているが、第一次世界大戦のいろいろな側面を教えてくれるし、読んで面白い。
Sunday, January 5, 2020
独逸語大講座(20)
Als die Sonne aufging, wachten die drei Schläfer auf. Sofort sahen sie, wie 1 schön die Gestalt war. Jeder von ihnen verliebte sich in 2 d...
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19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...
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昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
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パット・フランクのこの小説は日本ではなぜか翻訳が出ていないが、デイヴィッド・プリングルがSF小説百選のリストにも入れた名作である。 まず時代は1959年。場所はフロリダのフォート・リポーズという小さな町だ。主な登場人物は、フォート・リポーズに住むランディ・ブラグという三十代の男と...