この日の興業も最初の二試合だけ無料放送となった。映像を見て、第一試合から客の入りがすごいのでびっくりした。超満員札止めだったらしい。注目の選手権試合が四つも重なっただけでなく、中西学選手の引退を惜しむファンが、どっと詰めかけたのだろう。
第一試合は、ジュニアヘビー級の若手選手と新外人JRクラトスによる六人タッグマッチだった。クラトスは背も高く胸板も分厚い。獰猛な顔つきで、リングに入場してすぐさま相手チームに突っかかろうとした。タッグを組んだ岡田や佐藤が彼をなだめていたが、どうやらチームワークより個人プレーに力点を置いたレスラーのようだ。
もっともこれは初出場で観客に自分を印象づけようとする、意図的ポーズ。試合後にはチームの二人に握手を求めていたから、案外、普通の人なのだと思う。
しかしあの巨体と怪力は魅力で、ゼウスや諏訪魔や石川との対戦が楽しみだ。ただテクニックはないようだから、全日の上位陣に勝つのは難しいだろう。
第二試合は神さま軍団(ゼウス、イザナギ、UTAMARO)と陣のメンバー(吉田、阿部、花見)の対決となった。神さまたちは入場早々、場外乱戦をしかけ、荒れ模様になったが、その後の試合は短いなりに見応えがあった。花見も吉田も見せ場をつくれる、いい選手だと思う。が、ゼウスがやはり頭一つ抜けた実力を発揮して勝利をもぎ取った。
この試合にはもともと野村が出るはずだったのだが、故障のため欠場になった。彼は先月も欠場している。これはおそらく身体がSOSのサインを出しているのだろう。しっかり検査をし、時間を掛けて養生して欲しい。
なおこの日のメインイベントでは三冠ヘビー級選手権が行われ、チャンピオン宮原が青柳を下した。宮原はプロレスだけでなく、発信力も行動力も抜群だし、お客さんを楽しませるすべもよく心得ている。こういう点でも迫っていけなければ、彼を倒して全日本の顔になることはできないだろう。
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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