Friday, February 21, 2020

白井喬二 「忍術己來也」

以前、今日出海の「山中放浪」を読んでいたら、台湾の日本語新聞に白井喬二の小説が連載されていたという記述があった。それで急に白井喬二が読みたくなって、国立国会図書館デジタルコレクションを調べたら上記の本があったので pdf 版をダウンロードしてみた。いやはや、予想以上の面白さ。白井喬二のストーリーテリングのうまさには舌を巻いた。

己來也という忍術をよくする怪盗と、面師でこれまた忍術を使う下衛門との忍術合戦が主眼となる大衆小説だが、ほとんど息を継ぐ間もないほど次から次へと事件が起きる。語りは講談口調で(いや、あれよりももうちょいと洗練されている)、人の憂いや悲しみといった側面にはいっさい触れない。徹底してわくわく、どきどきし、楽しんでもらおうという書き方。これは日本のペニードレッドフルだと思う。久しぶりに十九世紀のおどろおどろしい小説でも読んでみようか。

関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)

§4.  Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。  一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...