アメリカにいたころ見知らぬ人からロン・ハバートの「ダイアネティックス」を読むよう勧められたことが何度かある。彼らはロン・ハバートの熱心な教徒なのだろう。おれはこれを読んで人生が変わった、ぜひ、お前も読んでくれ。上海では身だしなみのいい若い女性からよくアムウェイに入れと勧められ、この違いはなんなのだろうと考え込んでしまった。
でもそんなことはどうでもいい。わたしはダイアネティックスには興味はないが、ロン・ハバートの小説は面白いと思っている。パルプ小説的熱量をあれだけ放出している作家はめずらしい。SF好きで彼に興味があるなら Battlefield Earth あたりを手に取ってみてほしい。長大な小説だけれど、ついつい最後まで読んでしまう。
今日、プロジェクト・グーテンバーグの新刊(?)一覧を見たら、なんとハバートの Strain という短編が出ていた。「アスタウンディング・サイエンス・フィクション」1942年4月号に出ていた作品だ。こういう雑誌に掲載された短編は、著者が著作権の更新をせず、パブリックドメイン入りしていることがある。PGはそれをしっかり調べた上でデジタル化しているのだ。(調べないと、とんでもない著作権違反金をふんだくられる)ハバートの作品がPGに収録されるのはこれがはじめてのようだから、うれしいニュースである。もしも日本で彼の作品が著作権切れになったら、わたしはまっさきに Mission Earth を訳すだろう。SFの分野ではディックと並んで彼の作品が面白いと思っている。
Thursday, February 27, 2020
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
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