二十世紀前半のスペイン風邪と、大恐慌が一度にやってきたみたいな時期なので、時事ネタを扱えばいくらでも記事が書けそうだ。しかしこういうときこそ逆に落ち着いて考えなければならない。事態はパニックに陥るにはあまりにも深刻すぎる、とスラヴォイ・ジジェクも語っていた。
昨日、プロレス興行も無観客試合をしてはどうかと書いたが、プロレスリング・ノアは行政的な要請もあって実際に二十九日に無観客試合をやるようだ。おやおやと思っていたら、なんと全日本プロレスもチャンピオン・カーニバルの初戦を無観客でやることになった。
昨日も書いたように、無観客自体はそう悪いことではない。普段は雑音で聞こえない音や息づかいが聞こえ、試合は迫力を増すかも知れない。カメラの眼はあるものの、完全に選手たちだけといっていい世界で彼らがどんな振る舞いを見せるのか、ある意味で純粋な「プロレス」が見られるのではないか、「プロレス」のあらたな魅力が垣間見られるのではないか、などと、わたしは期待している。文学や芸術においても、きびしい検閲の中で、逆に創造性が発揮されるという例は数多くある。もちろん無観客や検閲が望ましいなどというわけではないのはもちろんだけれど。
政府はメルケル首相のように「われわれは文化事業の重要性を忘れてはいない、活動に従事する人々を全力で支援する」と力強いメッセージを出し、その体制を急遽ととのえなければならないのだが……。
Friday, March 27, 2020
英語読解のヒント(177)
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早稲田大學敎授 深澤裕次郎著 應用英文解釋法 東京英文週報社發行 (p. 186-187) 範例 (a) There has been some change for the better (worse) since I saw saw her last week. 先週會つて...
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