二十世紀前半のスペイン風邪と、大恐慌が一度にやってきたみたいな時期なので、時事ネタを扱えばいくらでも記事が書けそうだ。しかしこういうときこそ逆に落ち着いて考えなければならない。事態はパニックに陥るにはあまりにも深刻すぎる、とスラヴォイ・ジジェクも語っていた。
昨日、プロレス興行も無観客試合をしてはどうかと書いたが、プロレスリング・ノアは行政的な要請もあって実際に二十九日に無観客試合をやるようだ。おやおやと思っていたら、なんと全日本プロレスもチャンピオン・カーニバルの初戦を無観客でやることになった。
昨日も書いたように、無観客自体はそう悪いことではない。普段は雑音で聞こえない音や息づかいが聞こえ、試合は迫力を増すかも知れない。カメラの眼はあるものの、完全に選手たちだけといっていい世界で彼らがどんな振る舞いを見せるのか、ある意味で純粋な「プロレス」が見られるのではないか、「プロレス」のあらたな魅力が垣間見られるのではないか、などと、わたしは期待している。文学や芸術においても、きびしい検閲の中で、逆に創造性が発揮されるという例は数多くある。もちろん無観客や検閲が望ましいなどというわけではないのはもちろんだけれど。
政府はメルケル首相のように「われわれは文化事業の重要性を忘れてはいない、活動に従事する人々を全力で支援する」と力強いメッセージを出し、その体制を急遽ととのえなければならないのだが……。
Friday, March 27, 2020
英語読解のヒント(145)
145. 付帯状況の with 基本表現と解説 He was sitting, book in hand, at an open window. 「彼は本を手にして開いた窓際に座っていた」 book in hand は with a book in his hand の...
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昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
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久しぶりにプロレスの話を書く。 四月二十八日に行われたチャンピオン・カーニバルで大谷選手がケガをした。肩の骨の骨折と聞いている。ビデオを見る限り、大谷選手がリングのエプロンからリング下の相手に一廻転して体当たりをくわせようとしたようである。そのときの落ち方が悪く、堅い床に肩をぶつ...
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19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...