全日本プロレスのファンとして、コロナウイルスが興業の大きな支障となっている事態を深く憂えている。興行できなければ会社は成立しない。しかし興業は大勢の人が集まることを意味し、彼らを感染の危険にさらすことでもある。とくに東京は感染者の数が増えつつあり、韓国のように徹底した対策を取っていない日本では、今後爆発的な拡大が起きる可能性もある。いや、その予兆はすでにあるのだ。
だとすれば、相撲のように無観客試合ということも考えなければならないだろう。会場も小さなところ、あるいは道場でやってもいいかもしれない。それを全日本プロレスTVで配信するのである。これはそんなに悪いアイデアではないような気がする。相撲の場合、無観客のせいで逆に肉体同士のぶつかる音が迫力をもって伝わり、意外と面白いように、プロレスだってある種の条件の中で行われるとき、予想外の魅力を見せるのではないか。プロレスラーがアマレスのルールで試合をするとき、あるいは客受けする派手な技をいっさい使わず地味な関節技の応酬を見せるとき、われわれファンははっとし、熱狂的にそれを受け入れてきた。もちろん声援が聞きたいという選手の気持ちもわかるが、異常事態が発生しているのだから、それに合わせて行動するのもいたしかたないと思う。
そしてなによりも肝心なのは、政府がこうした文化活動を守るためにしっかりした財政出動をしたり、税制上の措置を取ることだ。フリーランスに十万円を「貸し付ける」とか、貯金されることを恐れて商品券のみを配布するというような、ふざけたことを考えている場合ではない。イギリスは働けなくなった人々に対して給与の80%を支払うことにしたぞ。日本円に換算すると、月額で最大三十数万円の補助だ。
Wednesday, March 25, 2020
独逸語大講座(20)
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