ニュージーランドがコロナに対する防疫活動でめざましい成果をあげ、世界的な賞賛をあびていることは周知の通り。その活動の中心人物が首相のジャシンダ・アーダーンだ。労働党の党首でもある彼女は、コロナの発生と共に、すばやく、断固たる措置を取り、かつまた国民にはわかりやすい、しかもあたたかいメッセージを発信して協力を呼びかけた。家庭では子供の世話をしながらの大活躍だった。
ロックダウンでコロナの押さえ込みに成功したニュージーランドは、警戒態勢を一段階下げた。そんななか、つい昨日のことだけれども、ジャシンダが夫ともどもレストランで食事をしようとしたところ、入店を拒否されるという「事件」が起きた。なんのことはない、その店はソーシャル・ディスタンシングを行っており、「満席」だったため、首相夫婦の入店を断ったのである。ところがその直後に席が空いた。そのため店員は走って彼らを追いかけ、めでたく首相夫婦はその店でデートをはたしたということだ。
このエピソードはいろいろと考えさせる。ジャシンダが首相という身分にもかかわらず、まったく一般市民と同じ振る舞いをしていること。店側も彼女を一般客とおなじ扱いをしていること。(ちなみに席がすぐ空いた場合は、直前に断られた客を店員が追いかけることになっているらしい)警戒態勢は一段階ゆるんだが、ソーシャル・ディスタンシングはきちんと励行されていること。首相の見事な統率力の結果、ニュージーランドは「日常」を取り戻しつつあるようだ。
Saturday, May 16, 2020
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(16)
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