Tuesday, June 16, 2020

ツイッターから

ある人のツイッターにこんな書き込みがあった。「社員やスタッフに精神論を押し付けるようになったら経営は失敗だ」

あれは何年前だったろうか。清貧の思想などというものが出て来て人々にはやされたことがあった。要するに贅沢を望まず、つつましく生きていこう、という内容である。これが出て来たとき、わたしはさっそく反発した。これは日本の経済が失速し始め、消費大衆の生活がじわじわと圧迫される最初のころにあらわれた「思想」である。清貧などというと、いにしえの仙人の生き方を思い起こさせ、ある種の道徳観念に親しんだ人々はすぐ「そうだ、そうだ」とのめりこむが、実際は、これから経済が苦しくなるから、おまえらは我慢の生活を送れ、というメッセージを送っているにすぎない。こういう「思想」をイデオロギーというのである。

あなたがよい職に就けないのはスキルがないから、だからスキルを身につけるためにナントカ学校へ行きましょう、などというのもこの手のイデオロギーである。一見すると理屈が通っているように見えるので、大勢の人が急にスキル、スキルといいはじめる。納豆ダイエットはきくとテレビで放映されると、どどっと納豆を買う人がふえるのと同様の現象である。(まったくテレビの影響力は甚大だ)よい職に就けないのは、よい職がないからである。どの企業も労働力を安く手に入れたいからである。

この意味に於いてマルクスが経済を下部構造を規定したのは間違っていないと思う。

ルイ・ニコライ・レヴィ「タマネギ人間クスラドック」

  去年 google books でデンマーク語版(原作)の「タマネギ人間クスラドック」を見つけたときは椅子から飛び上がって喜んだ。この本はヴァルター・ベンヤミンがゲルショム・ショーレムに読むのを勧め、ショーレムが大いに褒めたという本なのだが、なにせ原作もドイツ語の翻訳版も手に...