Tuesday, August 18, 2020

ジョン・ウィラード「猫とカナリア」(1922)

 サイラス・ウエストは変人だった。彼は死んでから二十年後に遺言を開封させ、遺産の配分をあきらかにしたのである。


さてその二十年後がやってきた。弁護士と相続人の資格のある人々が、サイラスの屋敷、幽霊が住むと言われる気味の悪い家に集まる。


遺言書には、相続人資格者のなかで、「ウエスト」の名を持つ者、しかも正気と認められる者に、すべての財産が渡されるとあった。ウエストの名を持つのは若く美しいアナベル・ウエストのみ。彼女が巨大な財産を受け継いだ。


すでに帰りの汽車もないため、弁護士と相続人たちはサイラスの屋敷に泊まるのだが、そこで奇怪な事件がいくつも起きる。不気味な鐘が鳴り、精神病院から逃げ出した男が屋敷に入り込み、弁護士はアナベルがちょっと目をはなした隙に姿を消す。そして数時間後に彼は死体となって発見されるのだ。いったい屋敷ではなにが起きているのか。


こんなふうに書くとホラーのようだが、読んでみると会話や登場人物の奇矯な性格が面白くて半分はコメディーのように感じられる。「この屋敷には幽霊がいるのですぞ」と目をむいて言う召使いのマミー、「そうなんだけど、でもその一方で……」というのが口癖のポール、アナベルをめぐっていがみ合うハリーとチャールズ、怯えているくせに空元気を出して振る舞うアナベル、いずれも生き生きと描かれていて楽しい。


ただこの作品は観客を楽しませようとするあまり、余計にどたばたを描きすぎてしまった感じがあり、そこが不満ではある。

独逸語大講座(20)

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