Tuesday, October 12, 2021

ジョン・ラッセル・ファーン「ブルータス・ロイド捜査に乗り出す」(1940)

ブルータス・ロイドはラテン語を意のままにあやつり、自然科学を知り尽くした天才である。本書で彼はその知識を生かし、異常な事件を次々と解決していく。

第一話は、爆発事故で視力を失った技師が、なぜか異次元世界を垣間見る力を得、その異次元世界と人間の世界とのあいだで、ある陰謀が企まれていることに気づくという物語。この陰謀を粉砕するため、ブルータス・ロイドが活躍する。

第二話は双子が持つテレパシー能力と、科学者の連続殺人事件を組み合わせたもの。第一話ほどの面白さはないが、チビのくせに傲岸不遜なブルータス・ロイドのキャラクターやSF的アイデアの楽しさで読ませる一編。

第三話はとある田舎町に恐竜が出現するという話。これに降霊術や催眠術などが加わり、パルプらしい滅茶苦茶な展開になる。最後はブルータス・ロイドが恐竜騒動の真の目的をあばいて、決着がつく。

この作品集のよさは、とにかくどの物語にも熱気があることだ。もちろんリアリズムなんか無視しているし、科学的な説明もでたらめきわまりない。しかしそんなことは気にならないくらい、物語が灼熱している。語りたいという人間の根本的な本能がうなりをあげている。わたしはパルプのこういうところがいちばん好きである。

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