Sunday, December 5, 2021

マックス・アフォード「幸せな二人」

最近はマックス・アフォードの作品に凝っている。数年前にはじめて彼の作品を読んだときも面白いと思ったのだが、なかなか本が手に入らなかった。が、最近プロジェクト・グーテンベルグ・オーストラリアのサイトにいくつか無料で読める作品が登録されていることに気付いた。それを手当たり次第に読んでいる。

本篇は短編だが、アフォードらしいひねりをきかせたものとなっている。主人公はスティーブ・ハーパーという法律家で、突然友人のウィンゲイトが自殺したという知らせを受ける。急いでウィンゲイトの家に行くと、妻と警察官が彼を出迎えた。妻の話によると、その日の晩、彼らはパーティーを催していたのだそうだ。そこでウィンゲイトは大いに語り、大いに酒を飲み、急に客に向かって「見せたい物がある。ちょっと待っててくれ」と別室に引き込んだのだが、その直後に銃声が響き、全員が別室にかけつけると、銃を手に持ち頭をぶちぬいたウィンゲイトの屍体が転がっていたのだという。

彼が自分で銃を撃ったことはまちがいない。しかし警察官はずいぶん胆力のすわった自殺だなとスティーブに言う。なにしろ銃を顔のすぐ前に据えてぶっぱなしたのだから。

スティーブは法律家ゆえ、妻から死後の法律的整理をまかされるのだが、機敏な彼は次々とウィンゲイトの自殺に疑惑を抱かせる証拠を見つける。そしてとうとう決定的な「殺人」の証拠をつかむのである。

マックス・アフォードはとにかく軽快に読んでいける。話が非常に整理されているのだ。これだけ平明に、スマートに、面白く書ける人はなかなかいない。

関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)

§4.  Solch ein kleines Kind weiß von gar nichts. そんな 小さな子供は何も知らない。  一般的に「さような」という際には solch- を用います(英語の such )が、その用法には二三の場合が区別されます。まず題文...