Monday, June 20, 2022

Ada Buisson のホラーストーリー(1)

Ada Buisson は1839年に生まれ、1866年に亡くなっている。ずいぶん若くして亡くなった人だ。死因などはわからない。小説を二作残していて、一つは Put to the Test というタイトル。三巻本のセンセーション・ノベルだそうだ。もう一冊は A Terrible Wrong というタイトル。そのほかに彼女はベルグラビアという雑誌に短編小説を書いている。わたしが今回読んだのは、この雑誌に掲載された「教会で語られた物語」という短編。

枠構造が用いられた作品で、数名の人々が教会の飾り付けに汗を流していたのだが、いたずらっこどもが教会のドアというドアを開かないようにしてしまったため、人が来るまで教会の中で待たなくてはならなくなった。そのあいだの暇つぶしにドーラ・モンテムという家庭教師が寄宿学校時代に起きたとある事件を物語るのである。

それはミリーというお金持ちの、冷たく、傲慢な娘と、そのいとこであるイレーナという美しい娘の反目の物語だった。早い話が、ミリーはイレーナの美貌をやっかんでいたわけだ。この二人の関係がある出来事をきっかけに一気に悪化する。アーサーというミリーのいとこがクリスマスに彼らのいる寄宿学校を訪ねてきたのである。アーサーはミリーと婚約寸前までいっている仲だったが、アーサーは美しいイレーナを見るなり、彼女に夢中になってしまう。ミリーは自分を抑えてはいるものの、内心で怒りを爆発させていた。

さてこのアーサーが夜になって妙な提案をする。寄宿学校を出て墓地を横切り、教会を抜け、その向こうに生えているイトスギの枝を取って来たら、自分が持っている金のロケットを進呈しようというのだ。外は寒いし気味が悪いけれど、三人の女の子がその挑戦を受けた。一人はミリー、一人はイレーナ、一人は若き日の語り手、つまり家庭教師である。そこで事故がおきる。ミリーと語り手は無事イトスギの枝を持って帰って来るが、イレーナだけがいつまで経っても戻ってこない。大がかりな捜索が行われたが、それでも影も形も見つからないのだ。

いったいなにがあったのか。それから一年後にミリーとアーサーは結婚することになり、語り手の家庭教師はブライドメイドとして結婚式に呼ばれる。しかし結婚式の前日にあることが起きて事件の真相が明らかになるのだ。まあ、そこはここには書かないで置こう。

いかにもセンセーション・ノベルを書いていた作家がものしそうな短編作品で、とくにすぐれているとは思わないけど、上流階級の女が悪鬼と化したり、日常的な場面の中からドラマが生まれてくるあたりなど、1850年代、60年代の小説の雰囲気がよく出ている。

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