Saturday, August 20, 2022

アーサー・ヘイリー「危険な飛行」

アーサー・ヘイリーは「ホテル」という本はたしかに読んだ。中身は忘れたが面白かったという印象だけは残っている。ほかにも何冊か読んだかもしれない。たぶん「探偵」あたりは読んでいると思うがまるっきり筋も印象も覚えていない。今回読んだのは Flight to Danger というドラマの台本だ。これはベストセラーとなり、映画の脚本、そして小説にも書き直された。三幕ものだが、一気に読んだ。スリラーとしても上出来だが、ヒューマン・ドラマとしてもぐっと胸に来る傑作だと思う。

カナダのウィニペッグという空港からヴァンクーヴァーに旅客機のDC4が飛ぶのだが、その飛行中にアクシデントが起きる。機内ではディナーとして魚料理と肉料理が配られたのだが、魚料理を選んだ客たちが次々と食中毒をおこす。さいわいにも乗客の中に医者がいて、応急処置を施すのだが、数名の患者はすぐさま入院治療が必要だと判断される。

しかし災難はそこで終わらない。なんとパイロット二人も魚を食べていたのだ。二人とも人事不省に陥り、飛行機を操縦できる人間は誰もいなくなる。そこで引っ張り出されるのが、戦争中、戦闘機を操っていたというジョージである。しかし戦闘機と大型機では操縦と言っても勝手が違う。しかもジョージはもう十年間も飛行機の操縦などやっていない。最初は「無理だ」といって尻込みした彼だが、飛行機を操った経験のある人が彼しかいないことを知り、仕方なくこの重大任務を引き受ける。

ヴァンクーヴァーの管制塔に事情を説明し、無線で連絡を取りながら彼はDC4の操縦法を教えてもらう。一方、ヴァンクーヴァーの空港では最悪の事態を予想して全市の救急車、消防車を空港に待機させる。そして経験豊かなパイロットを呼び出し、ジョージに操縦を教えさせる。さて、彼は無事に飛行機を着陸させることができるかどうか……。

本当に面白いドラマで、スリリングなだけでなく、危機に瀕した際に人間が見せる胆力のすばらしさが胸を打つ。そうだ、思い出してきた。「ホテル」もこのヒューマンドラマが面白かったのだ。

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