Friday, January 6, 2023

注目の二冊

最近アメリカのプロジェクト・グーテンバーグと、カナダのフェイディド・ペイジからそれぞれ一冊ずつ注目すべき本が出た。プロジェクト・グーテンバークは The War Against Japan (対日戦争)という第二次世界大戦の記録写真集を出してくれた。数えたわけではないけれど、おそらく千葉近い鮮やかな写真が短い解説つきで配列されており、興味深いことこの上ない。そのうちの二つを紹介する。

写真1

日米の激戦地だったペレリュー島で、カメラマンにカメラを向けられ笑顔を作ろうとしている米兵の写真。手榴弾が二つ見えるが、すぐ手に取れるよう、こんな所にくっつけているらしい。わたしの友人で、アメリカ海軍に十年間いた猛者が、手榴弾の投擲訓練についていろいろ話してくれたことがあったが、この写真を見た途端それを突然思い出した。

写真2


これはアメリカの攻撃を引きつけるために、日本軍が石灰岩を刻んでつくった戦車のダミーだそうだ。硫黄島にある。

もちろん戦闘や爆発や原爆の写真も多数あり、読み応え充分な一冊になっている。

フェイディド・ペイジはいくつも注目すべき作品を電子化しているのだが、わたしがとりわけ注目したのはオルダス・ハクスリーの「ポイント・カウンター・ポイント」。


実在の人物を登場人物にすえた長編小説で、モダン・ライブラリーの小説百選にも選ばれている。ハクスリーは最近はほとんど読まれていない気がするが、わたしは学生時代に愛読した。「ポイント・カウンター・ポイント」は翻訳が出ているが、六十年以上も前のものであり、わたしが新訳を出そうかなと考えている。アーノルド・ベネットの「老妻物語」も訳したいのだけど……。

独逸語大講座(20)

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