Saturday, October 21, 2023

H.B.ドレイク「影」

H.B.ドレイクは1894年に生まれ、1963年に亡くなっている。東洋の研究者、教師、かつファンタジー作家だった。本作(The Shadowy Thing)を読むまでわたしは名前も知らなかった。しかしこの作品はラブクラフトなどの怪奇小説が好きな人なら一読の価値がある。登場人物の心理にいささか理解できないものを感じるが、筋の運びは面白く、物語の醸し出す暗い雰囲気は見事である。

本書の語り手はディックというスポーツが大好きな青年である。彼にはエイヴェリという同級生がいて、この男は催眠術をよくした。クラスの生徒はみなエイヴェリの術に掛かってしまうが、ただ一人掛からないのが語り手のディックだ。ディックはあまりにも肉体的な人間過ぎるのだろう。そのためディックとエイヴェリのあいだには密かな敵対関係が生じる。

あるとき催眠術の実権の最中に事故が起きた。術に掛けられたある生徒の心が、邪悪な霊に取り憑かれ、ついにはこの生徒は精神病院送りになるのである。この生徒を救おうとして必死の戦いをしかけるのが、語り手ディックの妹で、霊能力を持つブランチである。ディックは神秘主義などにはなんの理解も持っていないが、ブランチは強力な霊能力をもっていて、やろうと思えば死にかけている人間の生命すらも引き伸ばすことができる。彼女は邪悪な霊に取り憑かれた生徒を救うためにエイヴェリと一騎打ちをすることになる。

降霊会やら納骨所やらジプシー占いやら怪奇小説が好きな人にはたまらない道具立てがそろっていて、いやがうえにも謎めいた雰囲気を盛り上げている。Internet Archive を調べればこの作者の著作がいくつか読めるようなので、興味のある向きは是非お手にとって貰いたい。

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