Wednesday, August 20, 2025

今月の注目作



Fadepage からジョン・クーパー・ポーイスの「ウルフ・ソレント」が出るようだ。ポーイスの代表作の一つである。日本語訳も国書刊行会から2001年に出ているようだ。大著なので二巻本で訳されている。ポーイスには反文明的というか、神秘主義的なところがあって、国書刊行会から翻訳・出版されるのはむべなるかなという感じだ。

この物語は学校の教師をしていたウルフ・ソレントが、授業中に学生たちの前でつい文明の厭わしさについて本音を吐露してしまい、それがもとで教職を辞し、故郷のラムズガードに帰るところからはじまる。ウルフの内省が長々と語られる沈鬱な感じの小説で、万人受けするとは思えないが、しかし人間はときに思索的になるもので、そういうときに読むと案外面白い。


リチャード・オールディントン(Richard Aldington)の「英雄の死」(Death of a Hero) がプロジェクト・グーテンバークから出ている。作者が1929年に発表した作品で、戦争小説のなかでもとりわけすぐれたものとして知られている。ウィキペディアによると作者(1892-1962)は詩人でもあり、イマジズムという象徴詩の運動にかかわっていた。ちなみに彼の結婚相手はイマジズム運動の代表的詩人 H.D.である。

「英雄の死」で作者はヴィクトリア朝の欺瞞性を徹底的に批判している。物語のしょっぱなで主人公の戦死が報告され、ついで時間をさかのぼって彼の両親や祖父母の話がはじまり、主人公の幼年期、青年期、従軍してからの様子が語られる。よく第一次世界大戦の前には牧歌的な、無垢の世界が存在していたが、戦争によってそれは破壊された、などという人がいるが(フィリップ・ラーキンもそんな詩を書いていた気がする)、オールディントンはそんなものは幻想だ、最初から欺瞞しかなかったではないか、と怒りをぶつけるようにこの作品を書いている。

有名な作品だけに日本語訳も出ているようだ。新田潤という人が今日の問題社というところから1941年に「英雄の死」というタイトルで翻訳を出している。こんな反戦小説をよく1941年に出したものだと感心する。たぶん伏せ字が入っているのではないだろうか。

Elementary German Series (10)

10. Die Tage der Woche 1 Die Tage der Woche heißen Montag, Dienstag, Mittwoch, Donnerstag, Freitag, Samstag (oder Sonnabend) und Sonntag. D...