九月六日の午前三時頃、北海道に地震が起きた。
目が覚めてすぐに大きな地震だとわかったが、別にあわてることはなかった。ただやたらと本棚や机の上の物が落ちた。あんなに物が落ちた地震ははじめてだ。
地震の直後は家の中の片付けをした。物が落ちたと言っても、壊れ物はなく、元に戻せばいいだけだ。しかも電気がついていたからさっさとすんだ。家人がテレビで臨時ニュースを見ていた。原発が動いてなくてよかったと話をした。
しばらくして急に電気が消えた。わたしは妙だなと思った。揺れてもいないのになぜ停電するのか。あとで聞くとブラックアウトだという。あとでその仕組みを聞いたが、なぜこんな欠陥システムを用いて送電していたのか。
七日の日に近くを出歩いてみた。道路のアスファルトが盛りあがって裂けたところが一箇所あった。折れた街路樹が数本あった。公園の木も二本折れていた。電線が切れて応急処置を施したところも一箇所目についた。
人々が舗道上で右往左往している。買い物のできる場所を捜しているのだ。普段よりも交通量が多いように思われたが、おそらくあれも買い出しの人々の車だろう。
コンビニに入ってみると棚はからっぽ。わたしの好きな業務スーパーを見ると大混雑……と思いきや、なんだか様子が変だ。よく見るとレジ待ちの客の列がうねうねと通路を埋めているのだ。日本人は列を作るのが好きだから、あれで結構楽しんでいるんだろうと思いながら店を出る。誰かが「お正月みたい」と言っているのが聞こえた。
Thursday, September 13, 2018
エドワード・アタイヤ「残酷な火」
エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...

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