Kobo から新しい電子リーダーが出る。八インチのスクリーンとページめくり用のボタンがついた Kobo Forma だ。わたしは H2O を愛用しているが、PDF を読むときにときどき画面が小さいと感じるので、こちらを買ってみようかと思っている。
しかし新製品発売のニュースを読んで驚いたのは、スペックのことではない。Kobo の CEO であるマイケル・タンブリンがこんなことを言ったのだ。「当社のトップ・カスタマーは当社の電子リーダーで毎日平均三時間の読書をする。実を言うと、何千何万というトップ・カスタマーは一日に七八時間本を読む。われわれはフルタイムの読書家のために美しくて快適なデバイスを作ろうと努力している」(Good E Reader から)
Kobo が読書履歴や時間に関する情報を利用者から収集しているという、感心しない事実はさておいて、トップ・カスタマーの平均読書時間が一日三時間というのはたいした数字である。たとえば日本の大学生でこれだけ読書する人はまずいない。さらに七八時間読むとなると読書狂とか活字中毒と言われるレベルである。そんな人々が「まだ」何万人もいるというのは驚くべき、しかしまことに心強い事実だ。なるほど世界は広い。もっともわたしが小さかった頃は、日本にも外国にも文学青年といわれる連中が掃いて捨てるほどいたけれど。
電子リーダーは心に栄養を与えてくれる、数少ない素晴らしいガジェットである。タブレットと異なり、スクリーンから目を刺激する光線が出ないから、長時間の使用にむいている。もしも個人情報をもらしたくないというのであれば、Koreader のようなソフトを導入すればいい。
Wednesday, October 3, 2018
関口存男「新ドイツ語大講座 下」(4)
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