Sunday, January 13, 2019

蔵書印という野蛮

図書館の本を開いた一瞬、日本の野蛮さを感じることが多々ある。蔵書印が本文の第一ページにベタリと捺されているのを発見した時である。しかもわざと読みにくくするかのように、活字の上に捺されているのである。





なぜこんなところに捺すのか。白紙の空間はいくらでもあるのだからそこに捺せばいいではないか。外国ではみんなそうしている。たとえばアメリカの図書館の蔵書印はこんな感じ。



大きな印だが、白紙のページに捺してある。そしてインドの図書館はこんな感じ。



本文には重なってない。さらに中国はこんな感じ。


わたしの知る限り日本だけである、活字の上にべたりと所蔵印がついているのは。蔵書印はたいてい赤い色をしているので写真で見るよりも活字との見分けはつくのだが、それでも字が読みにくくなることに変わりはない。

なぜこんなことをするのか理由はわからないが、少なくとも書籍にたいする愛情や敬意はまるで感じられない。牛や馬に烙印を烙印を押すように蔵書印が捺されている。まさか今でもこんなことをやっているわけではないだろうが、近代デジタルライブラリーの本が敬遠される理由の一つが、この醜い蔵書印であることに間違いはない。とにかく読書意欲をそぎ落とすように本文の第一ページが読めなくなっているのだから。

ルイ・ニコライ・レヴィ「タマネギ人間クスラドック」

  去年 google books でデンマーク語版(原作)の「タマネギ人間クスラドック」を見つけたときは椅子から飛び上がって喜んだ。この本はヴァルター・ベンヤミンがゲルショム・ショーレムに読むのを勧め、ショーレムが大いに褒めたという本なのだが、なにせ原作もドイツ語の翻訳版も手に...