わたしはアメリカの大学で教鞭を取っていたとき、自分をカッコにくくるという経験をした。わたしは日本を全く知らない人々に話をするわけだから、日本的な感性や論理をふりまわしてはいけない。かといって「彼ら」の論理や感性に則って日本を語ることは、不可能だし、可能だとしても間違いであるように思われた。そこで日本的でもなく、「彼ら」的でもない(「アメリカ」ではない。わたしの授業を聞いていたのはアメリカ人以外の学生も多かった)、しかしいずれの側にも認識可能な第三の論理の地平を求める必要があった。わたしは自分に対して現象学的な還元をやりながら、授業の計画を練っていた。
他者に理解させようする努力はこのような緊張を強いるものだ。しかし日本の政治家はそれをまるきり理解していない。安倍首相の外交を見てもそれはわかるし、小泉環境相が国連で気候変動への取り組みが「セクシー」であるべきだ、などとほざいたところにもあらわれている。
小泉は理解、つまり他者との共通の基盤を形作ろうとはしていない。自分勝手な(悪しき意味での)詩的ないし私的言語を垂れ流しているに過ぎない。外国のメディアから笑われ、馬鹿にされるのも当然である。
他者とか他者性に対してまったく思いが及ばず、戦略的な意思疎通の手段を考えない連中が、日本の国際的な評判をどんどん落としている。
Thursday, September 26, 2019
コリン・ブルックス「死体発見」
コリン・ブルックス(1893-1959)はイギリスのジャーナリストで30年代40年代はファイナンシャル・ニューズやサンデイ・ディスパッチの編集をしていた。BBCのラジオにも出演していたらしい。同時に以下のようなミステリも書いていた。 Mr X (1927) The Body ...
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ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
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§9. 不定の意を強める irgend 「何か」(etwas, was)といえばよいところを、特に念を入れて「何でもよいからとにかく何か」といいたい時には irgend etwas, irgend was といいます。その他不定詞(ein, jemand,...
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アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...