今、古い英語の参考書「應用英文解釋法」をデジタル化しようと思って、このブログで数ページずつ公表している。参照されている文章が十九世紀後半の作家のもので、この時期の文学作品を読む人には参考になるかも知れないと思ったのだ。もちろん、わたしにとっても勉強になる部分がある。英文に誤植が多いので、それを訂正しながらの作業である。
最近、国立国会図書館のデジタルコレクションを調べてみたら語学系の参考書がかなり増えていた。その中に上級者向けの参考書があり、それがなかなか悪くない内容なのだ。権田保之助著、有朋堂発行「基準独文和訳法」という本だ。ドイツ語学習者ならわかると思うけれど、中級レベルに達し、さらに哲学など抽象度の高い作品に挑戦しようとすると、難しすぎて挫折してしまうということがある。そんな人には本書は最適ではないだろうか。文法を復習しながら上級レベルを目指せるのだから。
というわけで、英語の参考書のほかにもドイツ語の参考書もこのブログでデジタル化しようと思う。ただし「基準独文和訳法」の問題編のみを。問題編の前にはいろいろ有益なアドバイスが書かれているのだが、ここは暇があったら後日入力しよう。また、原本では問題編がまずあり、解答編がそのあとに続くのだが、たとえば問題1とその解答はまとめてブログに掲載する。そのほうが読みやすいだろうから。さらにもう一つ、漢字は変換が面倒くさいので新漢字に置き換える。仮名遣いは古いままにしておく。こうしておけば、置き換えソフトで新漢字を旧漢字に入れ替えることも簡単だ。
古い参考書だからと云って馬鹿にはできない。若さが教師としての善し悪しを決定しないのとおなじである。
Monday, February 3, 2020
独逸語大講座(20)
Als die Sonne aufging, wachten die drei Schläfer auf. Sofort sahen sie, wie 1 schön die Gestalt war. Jeder von ihnen verliebte sich in 2 d...
-
19世紀の世紀末にあらわれた魅力的な小説の一つに「エティドルパ」がある。これは神秘学とSFを混ぜ合わせたような作品、あるいは日本で言う「伝奇小説」的な味わいを持つ、一風変わった作品である。この手の本が好きな人なら読書に没頭してしまうだろう。國枝史郎のような白熱した想像力が物語を支...
-
昨年アマゾンから出版したチャールズ・ペリー作「溺れゆく若い男の肖像」とロバート・レスリー・ベレム作「ブルーマーダー」の販売を停止します。理由は著作権保護期間に対するわたしの勘違いで、いずれの作品もまだ日本ではパブリックドメイン入りをしていませんでした。自分の迂闊さを反省し、読者の...
-
パット・フランクのこの小説は日本ではなぜか翻訳が出ていないが、デイヴィッド・プリングルがSF小説百選のリストにも入れた名作である。 まず時代は1959年。場所はフロリダのフォート・リポーズという小さな町だ。主な登場人物は、フォート・リポーズに住むランディ・ブラグという三十代の男と...