Monday, February 3, 2020

ドイツ語参考書

今、古い英語の参考書「應用英文解釋法」をデジタル化しようと思って、このブログで数ページずつ公表している。参照されている文章が十九世紀後半の作家のもので、この時期の文学作品を読む人には参考になるかも知れないと思ったのだ。もちろん、わたしにとっても勉強になる部分がある。英文に誤植が多いので、それを訂正しながらの作業である。

最近、国立国会図書館のデジタルコレクションを調べてみたら語学系の参考書がかなり増えていた。その中に上級者向けの参考書があり、それがなかなか悪くない内容なのだ。権田保之助著、有朋堂発行「基準独文和訳法」という本だ。ドイツ語学習者ならわかると思うけれど、中級レベルに達し、さらに哲学など抽象度の高い作品に挑戦しようとすると、難しすぎて挫折してしまうということがある。そんな人には本書は最適ではないだろうか。文法を復習しながら上級レベルを目指せるのだから。

というわけで、英語の参考書のほかにもドイツ語の参考書もこのブログでデジタル化しようと思う。ただし「基準独文和訳法」の問題編のみを。問題編の前にはいろいろ有益なアドバイスが書かれているのだが、ここは暇があったら後日入力しよう。また、原本では問題編がまずあり、解答編がそのあとに続くのだが、たとえば問題1とその解答はまとめてブログに掲載する。そのほうが読みやすいだろうから。さらにもう一つ、漢字は変換が面倒くさいので新漢字に置き換える。仮名遣いは古いままにしておく。こうしておけば、置き換えソフトで新漢字を旧漢字に入れ替えることも簡単だ。

古い参考書だからと云って馬鹿にはできない。若さが教師としての善し悪しを決定しないのとおなじである。

エドワード・アタイヤ「残酷な火」

  エドワード・アタイヤ(1903-1964)はレバノンに生まれ、オクスフォード大学に学び、スコットランド人の女性と結婚した作家である。自伝や「アラブ人」という評論が有名だが、ミステリも何冊か書いている。ウィキペディアの書誌を見る限り「残酷な火」(61)は彼が書いた最後のミステリ...