Monday, March 23, 2020

「闇の深みへ」無料配布のお知らせ

コロナウイルスのせいで図書館が閉鎖され、イギリスでは本屋さんも店を閉めているようですね。こんな時期なので少しでも人の気晴らしになればと思い、翻訳を完了したばかりの「闇の深みへ」を、これから一週間、無料配布します。下のリンクをクリックすればepubファイルがダウンロードされるので、ご自由にお読みください。無料配布期間(三月三十一日まで)が過ぎたらアマゾンから販売する予定です。

闇の深みへ.epub 

「闇の深みへ」はルネ・フュレップ=ミラーという人が書いた反戦小説です。第一次世界大戦なのか、第二次世界大戦なのか、よくわかりませんが、とにかく大規模な戦争が起き、三一七高地という架空の場所で兵士たちが生死の境をさまよう話です。滑稽でありながら残酷、シュールでありながら現実的という、一風変わった作品です。

反戦小説といえば、ベルタ・フォン ズットナーの「武器を捨てよ! 上下」(新日本出版社)も名作ですよ。なにしろわたしも訳者の一人として参加した作品ですから(笑)。

健康に気をつけていっしょに試練を切り抜けましょう。

デイ・キーン「疑惑の種」

  キーンは1969年に65歳くらいで亡くなっている。本書が書かれたのが1961年だから、晩年の作といっていいだろう。キーンの作品は前期や中期に書かれたミステリがおもに注目されるので、後期はどうなのだろうと興味をもって読んだ。 正直、悪くないという印象だ。 本書は人工授精をめぐる...