映画「ガス燈」は有名なのだが、どういうわけか原作の日本語訳は出ていないようだ。そこで出したのが今回の作品である。タイトルは原作のまま「エンジェル通り」にし、アマゾンの作品紹介の中で「ガス燈」の元になった作品であることを言及した。バーグマンの「ガス燈」を見ていても、この作品は十分に楽しめるだろう。原作と映画では描き方がずいぶん違うからだ。原作のほうでは、霧の濃いある晩の数時間の中に、すべてが凝縮されて描かれている。アンソニー・シェーファーとかJ.B.プリーストレーの実験的なミステリ劇が好きな人ならきっと気に入ると思う。
英語読解のヒント(184)
184. no matter を使った譲歩 基本表現と解説 No matter how trifling the matter may be, don't leave it out. 「どれほど詰まらないことでも省かないでください」。no matter how ...
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アリソン・フラッドがガーディアン紙に「古本 文学的剽窃という薄暗い世界」というタイトルで記事を出していた。 最近ガーディアン紙上で盗作問題が連続して取り上げられたので、それをまとめたような内容になっている。それを読んで思ったことを書きつけておく。 わたしは学術論文でもないかぎり、...
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ウィリアム・スローン(William Sloane)は1906年に生まれ、74年に亡くなるまで編集者として活躍したが、実は30年代に二冊だけ小説も書いている。これが非常に出来のよい作品で、なぜ日本語の訳が出ていないのか、不思議なくらいである。 一冊は37年に出た「夜を歩いて」...
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アニー・ヘインズは1865年に生まれ、十冊ほどミステリを書き残して1929年に亡くなった。本作は1928年に発表されたもの。彼女はファーニヴァル警部のシリーズとストッダード警部のシリーズを書いているが、本作は後者の第一作にあたる。 筋は非常に単純だ。バスティドという医者が書斎で銃...